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「あら全帝、はやいのね。
あなたの事だから証拠を見なくてもいいんだけれど、一応何か見せてくれる?」
てきぱきと話ながら書類とか片付けるのってすごいと思う。
そんな忙しい彼女にエメラルドドラゴンの鱗を見せ、ここで報酬もらえばすぐに誰かに絡まれてしまうと告げればすぐに、依頼完了ねとギルドマスターのいる部屋に通してくれた。
報酬はギルドマスターの部屋でも受け取れるからだ。
ガチャとドアノブを捻ればすぐにギルドマスターの声が聞こえた。
「お前、ドラゴン討伐クエスト速すぎだし。
さすが破壊の総者だな」
灰色の短髪に、青みがかかった灰色の鋭い目。
顎にちょうどいい感じに無精髭をはやしたギルドマスターはまさに大人の男性といった感じで、密かに憧れている。
「そんな事無いよ!
だいたい、僕はこの世界の人たちを守るためにここに来たんだもの。
迅速にクエストをこなすのは当然でしょ?」
僕は部屋に入るなり仮面を外し、ボックスへとしまった。
「まぁそうだが…。
そう言えば少し前に姫さんがお前の事訪ねて来たぞ?」
どこか遠い目をしだしたと思えば、僕を住まわせてくれるナリアが訪ねてきたとのこと。
なんだろう、今日は何かあったかなと首をかしげる。
「ナリアが?
ありがとう、じゃあ報酬はこのギルドカード預けておくので、振り込みお願いします」
ギルドマスターに金色のギルドカードを渡して、お辞儀をしてすぐに転移でお城に戻る。
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