ギルマスと勇者

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〈ギルマスside〉 「マスター、今から魔王の所へ戦いに行ってきます!」 バンッと突然黒ずくめの奴が入ったと思った途端、聞き覚えのある声が聞こえ、慌てて顔を見ると破壊の総者だった。 「おい、お前はドアぐらい落ち着いて開けられないのか。 で、魔王と言ったな…。 場所は分かってるのか?」 ギロリと睨んでから声をかければ、びくっと一瞬体が跳ね、ぽつりぽつりと姫さんから聞いた話を教えてくれた。 ギルドにも分かったんなら報告して欲しいもんだぜ。 「んで、お前はうちの帝たちをもう倒せるのか?」 「多分、倒せると思います。 SSSランクのエメラルドドラゴンを10分もしないうちに倒したじゃないですか。 あの知能があって、ドラゴンの中では上位ランクのドラゴンをですよ? 他の方々なら4、5人で組んで30分以上はかかるのでしょう? それを僕は…」 「あーもう、わーったよ。 んじゃ行ってこい。 帝たちも呼ぶか?」 「はい、道案内をお願いしたいです」 帝を道案内だけに使うつもりかと聞けばもちろんと一言。 魔王は自分一人で十分となんとも自信満々で、帝たちのプライドを平気で潰すような発言がぽんぽんと飛び出してきた。 …天然なんだろうが…確実にあいつらがいれば怒ってたな。
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