第一部 序章

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「…ミュー…」 微かな声でハッと顔をあげた。 いつの間にか寝てしまっていたらしい。 焚火も消えかかっており、少し肌寒かった…。 「ミュー…」 再び今にも消えそうな声が聴こえてきた…。 …あっ。 慌ててミューを探し始めた…と、腕の中で何かが動き出し、びっくりして目を向けるとミューがこっちを見上げていた…。 袋の中に入れて暖めていたはずなのにな…。 寝ている間に腕の中に入ったのだろう、びっくりして放り投げなくて良かったぁ。 「ミュー…」 再びミューは鳴いた。 …物欲しそうな目をしながら。
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