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彼女の表情に変化はない。本当にそう思っているのかは判らないが、嘘をついているとも彼には思えなかった。
「他のモブも?」
「それも言ったわ。あなたみたいな異分子(イレギュラー)はいるかもしれないけれど、大部分の人達はきっと私と同じだと思うわ」
彼自身もそれは充分に理解していた。そもそも主人公になりたいと願ったときから、自分は異端な存在であると、他のモブ達とは違うモノであると。
けれどそれでも、やはりどこか寂しさを感じてしまうのは何故だろうか。唯一無二の自己同一性、『主人公』を求めていながら他者と違うことに戸惑いを感じるのは、彼が自我を持つからなのか。
「それで、具体的にはどうするつもり?」
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