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「とりあえず、主人公達と接触を繰り返すしかないかな」 接触を繰り返し、顔見知りになる。 「主人公達が世界を巡る物語を歩み出すなら、この町を出て、旅をするはずだ」 具体的にはその旅路に倣い、彼も同様に旅をする。そして、旅先で彼らと『偶然』の遭遇をしていく。彼の見立てでは、これで物語の本流を逃さずにいける筈だ。しかし、それには問題がある。 「旅をするのは良いけれど、あなた、旅なんてできるの?」 そう、それが何よりの問題であった。 この世界にも例に漏れず魔物なるものが存在する。魔の者が生活するのに必要な障気と呼ばれる気体を吸い込み、おぞましい姿に変貌した化け物が。ちなみにこの障気が人と魔の者の小競り合いを生み出している原因なのだが、それはまた別の話。 「魔物と戦えなければ旅なんて無理だと思うわ。あなたには武器も、それを扱う腕もないでしょう?」
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