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「…一件だけだが確かに仕事はある。が、あまりお勧めはできないな」 「どうしてですか?」 「まあ、ちょっとな」 マスターは言葉を濁す。何かしらの危険が伴う仕事なのだろうと、マスターの表情から読みとった彼は、しかしここで諦めるわけもなく。 「多少の危険は承知しています」 これで魔物の討伐依頼のような実力有りきの依頼だと、彼は非常に困った状況に陥ってしまうのだが、どうやら取り越し苦労であったらしい。 「いや、仕事の内容自体が危険って事はないはずだ。仲介の時に依頼されたのは雑務ってことだったし。ただな…」 「?」 「依頼主が、あまりよろしくないんだよ。アンタみたいな一般人は、関わらない方が身のためだと思うがね」
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