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少女はふんぞり返り、見下したように彼を見た。その体つきには似合わない、豊満な胸が揺れる。 「私は『監獄塔』の鎖姫、アルゼラ様なのです!以後、私のことはアルゼラ様と呼ぶよーに!」 監獄塔、とはなんなのか。少なくとも彼には心当たりがなかった。世界のカタチを理解していても、世界の全てを知っているわけではない。当然のことだ。 「それで、あ、アルゼラ様、僕は一体何をすれば」 「そうですね、まずは二階席に戻りましょう!他の雑務クンにもまとめて説明します」 彼は自分以外にも仕事を引き受けた者達がいることに少し驚き、だからさっきの騒動で誰も驚かなかったのかと納得する。きっとアルゼラは同じやりとりを何度か繰り返し、その度に盛大に色々な物をぶち壊したに違いない。
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