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二階席では、七人の男達が酒を飲み交わしていた。その内二人、ぎょろ目で長髪の隻腕と重槍を担いだ厳つい巨体は、アルゼラと同じく主要人物に分類されるのだろう。アルゼラに促されて、彼は一番端の空席に腰掛ける。 「それでは雇われの雑務クン共にお仕事を説明するのです!トウカゲ!」 「りょおかい、鎖姫」 そう言って主要人物の一人、隻腕の男が立ち上がった。 「てめえら雇われ組には、俺達の補助をやってもらう」 トウカゲと呼ばれた頭を掻きながら、さも面倒くさそうに話を続ける。 「詳しい理由は言えねえが、俺達『監獄塔』は今、ある魔の者の女を追ってる。そいつを確保したいんで、てめえらに協力してもらおおってわけだ」 彼の脳裏に、先程の大通りでの出来事が蘇る。魔の者の女。いやまさか、と否定するがしかし。 「あの」
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