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彼が怖ず怖ずと手を挙げたのを見て、トウカゲは鋭い目をぎょろりと動かした。 「どおした?」 「さっき魔の者の女性を見たもので。桃色の髪の」 特徴を聞いたトウカゲは、後ろでふんぞり返るアルゼラにちらりと目を向けて一瞬のアイコンタクトをとった。内容は、その質問に答えていいのかどうか、だろうか。 「そおだ、その頭ピンクの女を追ってる」 彼は思わず苦笑いを浮かべた。主人公の座を狙う男は、何を間違えたのか本当に、主人公達を狙う一味に加わってしまったらしい。完全に悪役ポジションである。 「対魔騎士からの情報によると、今その女には腕の立つ剣士がついてるそおだ」 「まったく!騎士のクズ共がしくじらなければ、私達は何もしなくて良かったのに。本当に使えない連中なのです!」 アルゼラ達の言い分からすると、監獄塔は対魔騎士団と繋がっているらしい。彼にとって、それが有益な情報かどうかは判らない。 「今そいつらは市街地の外れに隠れているらしい。日が沈み次第、その隠れ家を強襲する」
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