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酒場を出ると、あまり人目に付かない裏路地を通りながら監獄塔の拠点を目指す。やはり、人に胸を張れる職業ではないのだろう。ついさっきまで『釣りをする男』でしかなかった彼にとっては、今の状況はなかなかにハードだ。 それからしばらく歩くと、町のはずれにある廃船解体場にたどり着いた。日は既に暮れかけ、辺りは紅に染まっている。 人の気配もない、恐らくここは普段使われていないのだろう。 アルゼラは廃船解体場の錆びた扉を開けると、中に入るよう命令をとばす。彼はその列の、一番最後について中に入る。 「さーてそれでは詳しく襲撃作戦の内容を説明します!」 アルゼラは放置されていた船の錨に器用に飛び乗ると、腕組みをして配下の面々を見下ろした。組んだ腕に、軟らかな二つの山がその重さを預けている。
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