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「まずはー襲います!次にー攫います!以上なのです!」 満足そうなアルゼラを放置したまま、トウカゲが口を開いく。 「まあだいたいはそんな所だ。細かい指示は状況に併せて俺が指揮をとる。何があってもいいよおに、準備はしっかりしておけ」 「武器はあそこの赤い船の中にありますから、適当に使うのです!」 アルゼラは小さな右腕をぴんと伸ばし、いまだ形を保ったままの赤い小型船を指さした。 「ちなみに成功報酬ですから、雑務クン達はきりきり働くよーに!」 改めて辺りを見回して彼は、雑務クンと呼ばれる者の中で、丸腰なのは自分だけだと気付く。そのうち何人かが、自身の装備に不安があるのか赤い船の中へと入っていった。彼もそれに続く。 船の中にはそこそこ高級そうな武器が、剣に始まり槍、斧など多岐にわたって揃えられていた。その他にも火薬を使った小道具が箱に入って積まれている。
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