33/45
前へ
/75ページ
次へ
再び大きな通りを避け、裏路地を進むこと10分少々、深夜にもかかわらず、灯りのついている古ぼけた家が見えてくる。その入り口が見える位置でアルゼラは隊列を止める。 「私が正面切って行きますので、雑務クン達はトウカゲについて二階に回ってください。サイサは私の後ろをついてくるのです。ただし、中から見えないように」 「ヴィ」 サイサは獣の唸り声のような音を口から出す。了解の意味なのか、アルゼラは満足そうに首を縦に振った。彼には全く意味が分からない。 「幸い近隣の家は密集している。近場の空家を伝って二階の中へ忍び込むぞ」 トウカゲは手で付いて来い、と合図を送る。彼も役割はそちら側、命令されるままにトウカゲの後ろをついていき、主人公達がいる建物の二階、窓の前で待機する。
/75ページ

最初のコメントを投稿しよう!

49人が本棚に入れています
本棚に追加