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再び大きな通りを避け、裏路地を進むこと10分少々、深夜にもかかわらず、灯りのついている古ぼけた家が見えてくる。その入り口が見える位置でアルゼラは隊列を止める。
「私が正面切って行きますので、雑務クン達はトウカゲについて二階に回ってください。サイサは私の後ろをついてくるのです。ただし、中から見えないように」
「ヴィ」
サイサは獣の唸り声のような音を口から出す。了解の意味なのか、アルゼラは満足そうに首を縦に振った。彼には全く意味が分からない。
「幸い近隣の家は密集している。近場の空家を伝って二階の中へ忍び込むぞ」
トウカゲは手で付いて来い、と合図を送る。彼も役割はそちら側、命令されるままにトウカゲの後ろをついていき、主人公達がいる建物の二階、窓の前で待機する。
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