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更に彼は小さな爆弾を足下に放ると、トウカゲを抱えたまま、近くの降りられそうな高さのベランダに転がり落ちた。 「くっ、閃光弾と―」 グンジの言葉が終わらないうちに、次の爆発が起こった。威力はあまり高くはないが、それでも屋根を、グンジを、クレイナを吹き飛ばす。 「大丈夫かクレイナ!?」 「っ、なんとかな…くそ、やってくれやがって」 二人の会話が聞こえてきて、ベランダで息を潜めていた彼はほっと安堵する。間違えて主人公一行を爆殺なんて洒落にもならない。 彼は隣で気を失っているトウカゲに目を向けた。本当はあのまま逃げても良かったのかもしれない。けれど、彼にはそれが出来なかった。間違った選択だったかもしれないけれど。 幸いこの家にも人は住んでいないようだ。この一帯は古く打ち捨てられた住居が多いらしい。
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