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「取り敢えず作戦は成功したんだから、早くアルゼラ様と合流しないと。でもどこにいるんだろうか」
彼は先程の、トウカゲとサイサの会話を思い出してみる。確か東のメバンニと言っていた。しかしそれはアルゼラと合流した後に向かうところだったはずだ。
「一度解体場に戻ってみるか」
彼はまだ意識の戻らないトウカゲを背負うと、無人の民家を出て、廃船解体場を目指して歩き出した。
それからどれほど歩いたろうか、気付けばすっかり太陽は登りきり、町は何時もの賑やかさをいかんなく発揮している。
「まさか人一人担いで歩くのがこんなに大変だったなんて」
ようやく廃船解体場が見えてきた頃には、既に彼の体力は底をつきかけていた。無理もない、思い返せば昨日の今頃から、寝ずに動き続けているのだから。
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