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解体場に帰った彼は、自分の選択が間違ってなかったことを実感する。 「遅いのですトウカゲ!いったい…?」 最初の時と同じ様に、錨の上で腕を組み、ふんぞり返っていたアルゼラは、担がれたトウカゲを見て目を丸くした。 「なにがあったのですか?」 彼は近くの作業台にトウカゲを寝かすと、事の経緯を簡潔に説明する。 「ふうむ、新手ですか。まったく、騎士の連中はそんなことも調べられないんですね!失望の極みですよ!」 「はあ」 「トウカゲも情けない!私の右腕ともあろう者がこうも簡単に!」 「…」 「それにしても」 アルゼラはそう言うと彼の方に向きなおり、にやりと口元を歪ませた。 「雑務クンF、あなたなかなかやるじゃないですか。正直どいつもこいつも雑魚ばかりだと思ってましたが、生意気な口を利くだけのことはありますね」
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