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(遠野…、遠野空…、あった!)
生年月日や血液型、その他個人情報が諸々と記載されているが、両親が海外出張で不在の為1人暮らしという珍しい家庭環境以外、特におかしな点は特になかった。
しかし、彼が今住んでいるとされる住所にさくらは覚えがあった。
「このマンション…。優也と同じだ。え、階数も一緒?」
恋人と同じマンション。その上階数も一緒だった。
奇妙な偶然にまた何とも言えぬ恐怖を感じる。
「…“402号室”って確か…」
優也の部屋に向かう途中で402号室は通る。
自分の記憶に間違いがなければ、402号室は空き部屋の筈。
「嘘…。どういう事?」
彼のマンションへは数日前に行ったばかり。
その時も空室だったし、数日後に入居者が来るなんて話も聞いていない。
ぞくりと体が震えた。
遠野空の存在がますます分からなくなる。
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