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「誰って…“遠野空”ですよ? 貴女のクラスの「私のクラスに“遠野 空”なんて生徒いなかった! 昨日までは…。今日になって貴方はいきなり現れた。まるで今までずっといたみたいに、当たり前にクラスにいた。でも、貴方は今日までいなかった!誰なの!?」
空の言葉を遮り、さくらは疑問を彼に思い切りぶつけた。
(言った! 言ってやった!)
さくらが妙な達成感に浸っていると、空が急に笑い出した。
「な、何よ…っ」
「あー、ごめん。怖いのに一生懸命に訴えて来るからつい…」
ケラケラとお腹を押さえて笑う空にさくらは頬を引きつらせる。
「先生にだけ教えてあげる。僕はね……宇宙人なんだ」
「はい…?」
【宇宙人】…地球以外の天体に存在するとされる、人間に似た生物。
「…頭、大丈夫?先生が病院に連れて行ってあげようか?」
「…大丈夫だし、別にどこもおかしくないから」
突然自分は宇宙人だと言い出した空に、さくらは真顔でそう言った。
空はさくらの言葉にカチンと来たのか、さくらの肩を掴み、さくら同様真顔で彼女に詰め寄った。
「いい? 今から言う事は真実だから。とりあえず聞いてよね」
「……分かりました」
7歳も年下の男の子に押されてる自分はどうなのだろう?と心の中で呟くさくらだったが、逆らう勇気を持ち合わせていない為、弱々しく頷く事しか出来なかった。
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