*少年の告白*

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どこからか椅子を持って来て、さくらの隣に座る空。 足を組み、妙に堂々とした態度は、クラスでの彼の雰囲気とは正反対だった。 「オレは、地球からかなり離れたところにある“ルーチェ”っていう星から来たんだ。…ある人からの頼みで、ある物を探しに」 「(なんか色々とツッコミたい所があるんだけど、それより…。態度変わり過ぎじゃない?)…そんな遠いところから?まだ子供なのに」 さくらの“子供なのに”という言葉に顔をしかめた。 「子供扱いしないでくれる?オレの星では10歳で成人だ」 「10歳で!?」 「そ。だからオレも大人なの。…話を戻すけど、オレはある物の回収の為に地球に…この学校に来た」 「へぇ…。でもなんでこの学校に?」 「オレの探している“ある物”を持った人間がこの学校にいるのは分かってるんだ。まだ特定は出来てないんだけど…。だからこの学校に来た」 「ふ~ん。若いのに大変ね」 「おばさんくさいよ」 「煩いわよ。あ、それより、なんで私以外の人達は君の存在を不思議に思ってないの?」 「あぁ。それは…、まぁ、化学と魔法の力かな。記憶変換装置的な物があるんだ。それで皆の記憶を操作してこの学校に潜り込んだんだけど…」 空はそこで言葉を切り、さくらへと視線を向ける。  
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