*少年の告白*

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「明らかに先生の態度がおかしかった。オレの事を異物を見るような目で見てたから」 「…突然クラスに見知らぬ生徒がいて、その子が当たり前のようにクラスの雰囲気に溶け込んでいるんだもの。変な目で見ちゃうに決まってるでしょう」 「まぁそうだよね。なんで先生だけに効かなかったのかな…」 空はそう呟くと、ポケットからボールペンのような物を取り出し、クルクルと指先で回し始めた。 「それ…?」 「これが記憶変換装置。これをちょっと操作すれば、周囲の人間の記憶が変換されるんだ」 「ただのボールペンなのに……」 さくらは信じられないといった表情で、しげしげとボールペン(記憶変換装置)を見つめる。 「信じられないなら試してみる?」 「え?」 さくらの返事を聞かないまま、空は装置を弄り始める。 装置の先端が一瞬強く光を放った。 それが収まると、空が口の端を歪めて笑った。  
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