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(え、どういう事? 私のクラスに転校生が来るなんて聞いてないし…)
一瞬頭の中が真っ白に染まった。
点呼の声が止まった事を不思議に思った生徒達がさくらへと声をかける。
「先生、どうしたの?」
「遠野がどうかした?」
「え!? ううん。なんでもない。ごめんね」
若干引きつった笑顔を生徒達へ向け、さくらは再び出欠確認を始めた。
しかし頭の中は謎の少年の事でいっぱいだ。
口早に連絡事項のみを伝え、さくらは足早に教室を出た。
自分のデスクへと向かう途中、学年主任の先生と擦れ違った。
さくらは学年主任に声をかけた。
「岩本先生! あの、今日転校生が入って来る予定とかってありませんでしたっけ…?」
「いやぁ。転校生が来るなんて話は聞いてないよ。どうして?」
「いえ、なんでもないんです。すみません、引き止めてしまって。失礼します」
「あ、あぁ…」
岩本からの訝しげな視線を背中に受けつつ、さくらはもやもやとした気持ちを抱えながら部屋へ戻った。
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