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旅の門出をいわうかのような、心地よい風を感じる。この旅の相棒(自転車)は、ママチャリだ。前のカゴには、寝袋と1.5リットルの水、後ろの荷台にはバッグをくくりつけている。荷物が重いぶん、遠心力がついてペダルが軽く感じられた。
僕はまず、昔なつかしの母校を目指した。母校の裏には土手がある。その土手は、まっすぐ進むことで、北海道行きのフェリーが止まる海岸に繋がっているのだ。地図も持たずに出発したので、その土手だけがたよりだった。(今思うと、準備不足もいいところで、恥ずかしく思う)
段々、土手が近づくことを感じる。道が、アスファルトから田んぼ道に変わったからだ。土や草の匂いに囲まれながら、僕とママチャリは土手に到着した。そこには"海岸まで140km"と書かれた標識があった。
ここからが本当の、旅の始まりだ!
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