炎の悪鬼

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▼▼▼▼▼ 戦闘が開始して早十分。シャルロットが放つ魔力弾の雨からシオンがひたすら逃げ続けるという構図が展開されていた。 ヘレナはやる気が無いのか、はたまたシャルロットの弾幕のせいで接近出来ないのかは定かでは無いが攻めて来ない。まあ、ガクブルしてるし後者なのだろう。 「うふふっ、ふふふふ……ちょこまかとおぉーーッ!!」 笑いながら両手に持つマシンガンから魔力弾を放つシャルロット。すっかりハイな彼女は誰がどう見てもトリガーハッピーだ。 ーーークソ、何でこんな危険なヤツと戦わなくちゃいけないんだよ! 内心で毒づきながらもひたすらに躱し続ける。もちろん、先程から反撃としてちょくちょく魔法を放っているのだが、シャルロットの弾幕に撃ち落とされてしまうので大した意味を成してない。 強力な魔法なら撃ち落とされないだろうが、絶え間無く魔力弾が降り注ぐこの状況じゃ、流石のシオンでも発動のしようが無い。 打開策を考えながらも魔力弾の雨を躱し続けていると、不意にシャルロットがマシンガンを手放した。持ち主の手から離れたそれは、重力に従って地面に落ちていく途中で光の粒子となり消える。 そして刹那のタイムラグをおいて召喚されたのは二門のガトリング砲。それを軽々と抱えたシャルロットはニッコリとした笑みを浮かべ、一言。 「今度こそ蜂の巣にしてさしあげますわ」 瞬間、先程までとは比べものにならない量の魔力弾が放たれた。水色と緑色の弾丸のコントラスは幻想的で美しかったが、今は感心してる場合じゃない。 「消し飛べッ!!」 慌て竜の息吹を発動し、迫る弾幕を打ち消したがそれはほんの一瞬。直ぐに第二波が襲い来るため結局逃げ回る羽目に。
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