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「玩具はね、大事にしなさい」
祖母がまだ生きていた頃に言われた言葉。小さかった僕は頷いてクマのぬいぐるみ、ジュリアを抱き締めて。
積み木はやりっぱなし。それを祖母は元の場所に戻す姿をただ黙って見詰める自分、いつの間にかいた母は呆れた顔をして早くアンタも片付けなさいと叱った。
「元の場所に戻さないと積み木さん、怒ってしまうよ?」
僕はジュリアを母に預け急いでプラスチック製のボックスに積み木を入れる。乱暴に入れてしまえば積み木が痛がる、なんて思いそっと優しい手付きで。
「ぴーす、ばいばい」
ボックスに戻し手を振る。
ピースとは積み木のことで僕が名付けたのだ。
他にも色々名前を付けているが僕は“彼ら”を玩具だと思ったことは一度もない。
“友達”であり“家族”であった。
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