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正吾だ。にやにや不気味に笑う彼は一人っ子で叔母や叔父に甘やかされて育った。
一人っ子だからといって正吾のようには普通ならない。
「テスト、返ってきただろ?見せろや」
「下にあります。さっき叔母さんが見てましたから」
一瞬にして表情が変わる。さっきまでの不気味な笑みは消え、今は目をぎらつかせ手にあるテストはぐしゃりと握り締めてしまいめちゃくちゃになってしまっていた。
プライドの塊である正吾は既にゴミと化したテストを柳に投げ付けて部屋へ戻ってしまい残された自分はただ彼が入っていった部屋を見詰める。
「プライドが高すぎるよ」
誰もいない廊下でぽつりと呟いた言葉は誰にも届かない。
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