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「ジュリアが……」
次の日、学校から帰ってきてふとベッドへ視線を向ければ置いてあったジュリアがいないのだ。朝は確かにあった、一緒に置いてあった黒猫のぬいぐるみのうーたはあるがジュリアだけがいない。
まさか、と思い滅多に立ち寄らない正吾の部屋へ向かいノックすれば驚くほど早くドアが開いた。
「なんだよ」
ニタニタ薄気味悪い笑みを浮かべる彼を殴りたくなる気持ちになるが何とか落ち着かせゆっくり、はっきり聞いてみる。
「―――僕の部屋にあったクマのぬいぐるみは?」
「お前もよくこんなモノ捨てずにとってあるよな」
モノじゃない、ジュリアやうーた達はかけがえのない“友達”であり“家族”で。柳は唇を噛み締めて耐えた。ここで怒りを露にすれば正吾の思うつぼだと言い聞かせて。
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