自己(月)

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 《心の闇》   独りになるのが恐い 昔、急に独りになった事があった 予測があったのだから、“急に”という言い方はおかしいかもしれない 私も彼の体の事は知っていたのだから   当時は今以上に幼かった 子供だった でも、愛する人を失う悲しみに歳なんて関係あるだろうか いきなり襲う孤独・絶望・後悔…   私も一緒に逝ってあげたら良かったのだろうか 私が彼の命を縮めてしまったのだろうか そんな思いが今も私を苦しめる   怯える彼を抱き締める事しか出来なかった 胸の中で泣く彼の頭を撫でる事しか出来なかった 独りで旅立つ彼を茫然と見送る事しか出来なかった……   他に何が出来ただろう 幼く弱い私に他にも出来た事があったのだろうか 未だにその答えは見つからない   睡眠中急に目が覚める あの頃の夢を見て飛び起きる 顔が涙でぐしゃぐしゃだ 立ち上がれず、目眩すらする 少しトラウマになっているのかもしれない……   だから私の愛は重い いつも縛りつけられていたい 一時でも離れていたくない また私の腕の間から擦り抜け、行ってしまうのが怖いから もう二度とあんな思いはしたくないから…
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