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そうさ。オレは所詮、兵器さ。
人間に恋したオレが馬鹿だったんだ。
それに、大志は最初から、オレに興味なんか無かったのかもしれない。
海岸で告白したときだって、そうだった。
そもそもオレは、あいつに異性として見られてなかったのかもな。
「お姉様・・・。これから、どうなさいますか?」
モミが沈黙を破った。
どうって・・・。
「まさか、ファインや大志お兄様と、これからも会うということは・・・・。」
「・・・できない。」
気まずい。つらすぎる。
もう、今まで通りに接することはできない。
話すことはもちろん、見ることも。
「私も暫く、この家を離れます。そして、ダンテさんや宗教団体にお世話になります。」
・・・モミまで?
「私だって、なんか気分悪いですから。それに、前から一人旅は考えていました。」
「・・・そうか。」
それじゃあ、この家はガタガタになるな。
知ったことじゃないけど。
「よし。オレも旅に出るよ。」
オレは涙を拭き、立ち上がった。
「決まりましたか。では、数年後に会いましょう。」
モミは手を振った。
オレは歩きはじめ、二度と振り返らなかった。
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