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-平丘有美-
今日は~モミと~山菜採り~
「たくさん採れましたね。」
モミは、かご一杯に山菜を抱えている。
「これだけあれば、食うのに困るくらいだな。」
「大志お兄様は喜ぶでしょうね。もしかしたら、その後すごい展開に・・・。」
すごい展開?
「ま、まままままさか、オレと大志がぶーっ!!」
「自己検閲ですね。わかります。」
鼻血で服が汚れた。
幸いにも、山菜は無事だ。
さて、ファインの家が見えてきた。
「ファインは何をしてますかねー?」
モミは窓の中を覗いた。
・・・・・?
「どうした、モミ?」
オレも中を見た。
そこでは、大志とファインが抱き合っていた。
は・・・・・・。
「なんだよ・・・なんだよ!」
オレは夢中で駆け出した。
「待って下さい!」
モミも追ってきた。
オレは走り続けた。
走って走って・・・
崖っぷちまでやって来た。
オレは後ろのモミに叫ぶ。
「なあ、こんなのありかよ!?オレの方が間違いなく親しかったはずなのに、これはどういうことだよ!?」
やり場のない感情。
「そっか、オレみたいな化け物は嫌いなんだな!?全部、この身体が悪いんだな!?どう思う、モミ!?」
モミは下を向いて、答えた。
「私は、ファインも化け物に変えてしまいました。そして、その事はもう、大志お兄様に伝えてあります。」
「なーるほど。つまり、オレは実力で負けたと。」
「・・・・・・。」
モミは黙ってしまった。
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