サクラ色の生命

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今から私は自殺しようと思います。 生きていたって何一ついい事なんて有りはしない。 みんなは春の陽気に浮かれているのに私の心は真冬のように冷たく閉ざされている。 私は夜の公園を歩いた。 首を吊るための枝を選ぶ為に… ふと気が付くと私は大きな桜の木の前にいた。 華やかに、色鮮やかに咲く桜達。 …私も桜のように華麗に咲き誇りたかった。 でも私は地味で暗くてみんなのように笑う事も楽しむ事も出来無かった。 だから死ぬときぐらいは可憐に散っていきたいよね… 私は首を吊るためにロープを桜の枝に結ぼうとした。 ふと足元を見ると小さな花が咲いていた。 桜の様に綺麗な花では無いが、うっすら“サクラ色”をしていた。 華やかな桜の下でひっそりと咲くこの花はまるで私のよう… そう思うと私は自然と笑みが零れた。 もう少しだけこの世界を生きてみよう。 この健気に生きる“サクラ色”の生命のように…
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