ブラック・チェーンメール

2/2

8人が本棚に入れています
本棚に追加
/54ページ
チェーンメールというのを知っているだろうか? 『このメールを7人に転送しないとあなたは不幸になります。』 いわば現代版の不幸の手紙である。 子供の他愛もない遊び、のはずだった… ある日僕の下に一通のメールが届いた。 “送り主不明” とりあえず開封してみたが、真っ暗な画面だけで文字が一通も入っていない。 薄気味が悪かったのですぐに削除しようと思ったが、軽い悪戯を思いついた。 “ブラック・メール” このメールを一週間以内に7人に転送しないとあなたは死んでしまいます… メールの最後にこの文を付け足しチェーンメールとしてみんなに送るのだ。 僕は黒崎、迫田、岡田、古賀、浦井、森口、久米村の7人にメールを送った。 黒崎はメールを僕の悪戯だと気付き、メールを転送しなかったらしい。 他の6人はとりあえず7人に転送したようだ。 そして一週間後、僕の携帯に黒崎からメールが届いた。 『助けてくれ、影に襲われる!』 これが彼の最後の言葉となった… 死因は不明。 部屋で亡くなっているのを母親が見つけたらしい。 次の日、隣のクラスの安藤が亡くなった。 彼女もまたブラック・メールを転送しなかったらしい… 今僕の携帯には未開封のメールが数件ある。 たぶんその中にはブラック・メールも含まれているだろう。 もしこのメールを転送しなければ僕はどうなってしまうのだろうか? その時僕の影がニヤリと笑った気がした…
/54ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加