もう君を愛せない

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まだ12月の寒さが、二人の体温を奪って行く。凍える身体が、より二人の距離を縮めて、心がカラダを求めだす。僕は本当は帰したくない君をやっとの想いで君の家の前までたどり着いた。 『寒かったね。顔が冷たくなってる。コーヒーでも飲まない?』と、僕が口をひらく。 肩に顔を埋めながら、微笑みをうかべ、『ご馳走してね。トール。』と君が言った。 自販機でコーヒーを買い、君の元へ走る。 空からフワフワと雪が二人を暖かく包み込むように降り始めた。 『あ、雪!初雪2人で見れたね。ちょっとハッピーじゃん。』と、僕が言った。 『綺麗…でも、危ないからもう帰らないといけないよね?』と、君がつぶやいた。もともと白い肌がステキな彼女を、雪がよりいっそう美しく彼女を彩った。缶コーヒーを握り締め彼女は僕の肩に寄り添いながら
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