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『今度、いつ会える?』と言った。
『まだ、わからない。俺から連絡するよ。』と僕は言った。
『ありがとう。早く帰らないと…雪で危なくなるよ。』と言って、僕にギターを渡した。
ギターを背中に背負いながら、『誰よりも、君が好きだよ。必ず連絡するよ。』と、無責任な言葉をカナに言い残しバイクを走らせた。
舞い散る雪が、切なくて僕の心を締め付ける。本当はずっと側に居たいのに…僕の帰りを待つヒロと一緒に住んでいる家へとバイクを走らせる。
僕の心の中には、カナと一緒に居たいという気持ちでいっぱいなのに、ヒロを傷つけてはいけないという責任感が僕を無理やり笑顔にする。
ヒロは、誰よりも僕を愛している。必要としている。しかし、僕を失う怖さからか、必要以上に僕の生活を制限する。事実、ヒロと付き合いだしてから、僕のまわりには誰も居なくなった。もう付き合い出して四年が経つ。プロポーズをしてからは、二年が経つ…
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