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「凪や~、起きとるかい?」
「もう起きてるよ、ばっちゃん」
俺は学校に行く準備をしながら答えた。
もちろん、朝ご飯を食べる準備もしながらだ。
「しかし急やね~…。いくら転勤が多いからって、今度は海外かい?」
「仕方ないさ。それが父さん達の仕事だから」
俺の親は貿易系の仕事をしている。
その関係上、小さい頃から転校を繰り返していた。
高校三年になったと同時に、親がとうとう海外赴任になったのだ。
俺も一緒に連れて行く事になっていたが、高校生にもなって親の都合に振り回されるのは嫌だと猛反発。
親も親で、一人暮らしはダメだと聞く耳を持たない。
そこで持ち上がったのが、ばっちゃん家に居候と言うものだった。
「まぁ、私は構わないけどね」
「ありがとう♪あっ!それと帰ったら、楽器のリペア教えてな♪」
「ほいよ♪」
ばっちゃん家は、小さな楽器屋なのだ。
昔は里帰りした時に、よくばっちゃんに楽器の演奏を習ってた。
そして楽器を演奏するばっちゃんが、メチャクチャ格好良かったのを覚えているよ。
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