～狂歌～悲しき恋歌

百年の待ち人

暗い闇の中

森の奥にある一つの石垣に花束が添えられていた

そこに立つひとりの青年

瞳は、獣のように赤く、冷たく、まるで憎しみに捕らわれているように

「親父…。」

拳を血が出るほど強く握り痛みに耐えるその顔に自分の手の平を見つめる。そして…強い風が流れ込み雲に隠れていた月が顔を見せる。

「俺は許さない…けしてあいつらを…」

風がだんだんと大きくなってきた途端に青年はその場から姿を消した。