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少しばかり、視点と目線をずらして合奏を見る。すると、目を向けた先の先輩達が、楽器を吹きながらこちらを見ていた。というか、凝視していた。
あれ、俺なんかしたっけ。
殴りあいの喧嘩や、アブナイ兄ちゃんに喧嘩を売るよりも、怖い。徐々に恐怖心が、風船を膨らませるように大きくなる。音楽室から顔を引っ込めて壁に隠れる事にする。
やはり、この見た目はアウトなのか。
そうだよな、入学四日目で先輩から喧嘩売られたもんな。そりゃまあ、買ったけども。
壁にもたれ、腕を組む。もう一度音楽室の様子を見ようかと、中を見てみる。すると、男子と目があった。
あ、気がつかなかった。男子なんていたのか、とお互いの視線が交差する。ぅおう、すげぇ目力。
なんていうか、頭良さそう。
あれかインテリ系か。なんて、可笑しな思考を巡らせる俺。
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