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昼休みになると、ボク達のクラスは人で一杯になる。他のクラスの人が集まって来るクラスだから。
その証拠に、廊下に出て他のクラスを見て回るとビックリするくらいスカスカ。
でもやっぱり隣には君がいて。
だから伝えなきゃいけない事も、また今度でいいかななんて。
甘えちゃうんだろうなぁ。
「ねぇ、ねぇって!」
「ほぇ?」
ご飯を食べながら返事をしたから何だか間抜けな声になっちゃったや。なんて思っていたら頭に君の手が。
「ん?」
「うんうん、よしよし。それで、なんで話を聞いてなかったのかな?」
「へ?」
「だーかーらー、」
と、ジト目で見つめてくる君に少しドキドキしちゃったり。
「なんか最近町中も物騒らしいから、気を付けなさいよって話!」
「ん!」
「よしよし。わかればいいのよ。」
食べながら頷くと、頭をなで続ける君。
ご飯美味しいなぁ。なんて。
関係ないことを考えて和むんだ。
帰り道。
隣には勿論君が居て、ボクは左側を歩く。
「ねぇ」
「うん?」
「今朝はなんであんなこと聞いたの?」
今度は逆だ。
「えと、だからそれは」
「違うでしょ。」
「え?」
「アタシが聞きたいのはそれじゃないの。あんたの浅知恵くらい見抜けるんだから」
「……うん」
「それで?」
「……実はね」
ズゥゥゥン!!!!
「わっ!?」
「きゃっ!?」
地面が揺れた!地震!?
グルルルルルル……。
「う、嘘……」
君の怯えた声。それはそうだ。
だってここにはいないはずの生き物だから。
グルルァ!!!!
「魔獣…」
学生ごときでは勝てるはずもない相手。
軍人の中でもエリートでなければ勝てないそれが、なんでこんな住宅街にいるんだろう。
ボクの頭はビックリし過ぎちゃったみたいだ。落ち着いて物事を考えられる。
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