追憶と…

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君はさっとボクの前に出る。 何だか悔しいけど、普段の実力差がこういうことに繋がってるんだろうなぁ。 ボクがもっと魔法を上手に使えて、その目の前の魔物を堂々と倒せたら、もっと君に気に入って貰えるのかな? なんて。 下らない現実逃避。 「喰らえ魔物!!」 君の魔法が様々な物に変わりながら狼型の怪物に向かう。炎だったり雷だったり。 でも当たった筈なのに、ただ痛かっただけみたいで。 ダメージって言えるほどもなくて。 ゲームじゃないんだから、人間が叶うはずもないか。って妙に納得したりして。 ガァァアアアアア!!!! 魔獣が啼く。バカみたいな量の魔力が、衝撃波になって僕達を飛ばす。 「キャアァ!魔獣よ!」 周りの住宅から出てきた人達だ。 皆どこかに逃げていく。 そんな中でも君は勇敢に立ち上がるから。 「待って。」 君に死んで欲しくないから。 生きて幸せになって欲しいから。 ボクはこの力を貰えたことに、ボクの両親に、生まれて初めて感謝したんだ。 「ボクがやるから。」
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