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「貴様…隠密では無いのか?」
「ちげぇよ!!誰がいつ隠密だなんて言った!!」
手が震えていた、涙が止まらなかった
女は立ち上がると優しく抱き締めた
「落ち着け。いきなりですまなかったな。私は三成、石田三成だ。」
俺は抱き締められて少しずつ落ち着いたのか、涙も止まっていた
「俺は、騎瑠 俊也だ」
三成は微笑むとゆっくり離れた
「騎瑠 俊也、お前は行く宛てはあるのか?良ければ我が主君に掛け合ってやる」
「良いのか!?俺はどこの誰かも分からないだろう?」
「私はお前に生かされた。それだけでいい、それに私はお前に無礼を働いたからな」
三成は刀を拾い腰の鞘に収め鎧を持つと馬に跨がった
「お前も乗るか?」
「いいよ俺は、馬なんか乗った事も無い」
俺はゆっくり進む三成の後を足速に着いて行った
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