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「はっ、はい!なんですかっ?」
『あー、あの…大丈夫?インカムもだけど…ハルヒト君、朝から顔色悪かったし、調子悪いの?』
真冬先輩は心配した様子で訊いた。
「あっ、はい!全っ然大丈夫ッス。漲ってます」
僕は真冬先輩を心配させないように元気良さげに答える。
『……本当に?』
「ほ、ホントッスよ!?」
僕が答えると、真冬先輩は僕の言葉の審議を確かめるように、間を空けてから言った。
『漲ってるのはいいけど……絶対にムチャはしないでね』
その言葉が一番漲ります。
「はっ、はいっ!!」
やっぱ、かわいいな……真冬せ
『ウォッフォッンフォン!!ア゛ー』×2
僕のピンクの思考をかき消すように二つの咳払いがインカムに響いた。
恐る恐る左側を見ると、こめかみを痙攣させながら、引きつった笑顔のササメさん。向けられているのは銀色の自動拳銃。
「さ、ササメさん…?いや、ちょ、誤解っスよ…?」
「そうかそうか……」
笑顔が恐すぎますって!目が笑って無いしっ!
後頭部に感じる殺気立った視線は恐らく……
『このスコープは精度が高いから安心して眠れ……アーメン』
鋭いヒデアキ君の声。
「ちょ、ヒデアキ君も落ち着いて!?」
『一人の女を廻って三人の男達のバトル……フフ、見物ね』
「桜花さんまでっ!?」
収集がつかなくなりかけたところで、真冬先輩の鶴の一声が入る。
『や、やめて下さいっ!』
「「「はい、よろこんで」」」
何故だか僕まで答えていた。
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