フォッカス城

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「とにかく生存者を探して、情報をもらわないといけませんね」 カレンが皆に向かって指示を出した。 私はただ、心配することしかできなかったのに…… こういう時でも冷静でいられるカレンはとても心強い。 アリスはカレンを見ながらそう思っていた。 「誰か返事をして!」 「生存者は居ませんか!?」 「あの……誰か生きてますか?」 「生きてる奴は返事をしろ!」 4人は各々、ホール内を歩きながら呼び掛けた。 すると 「アリシア様ではございませんか……」という男性の声が小さく聞こえてきた。 アリスは声のした方に視線を移す。 そこには壁にもたれかかっている銀色の鎧を着た男性がいた。 アリスはその男性に見覚えがあった。第2護衛師団長だ。 「皆こっち来て」 アリスは他の3人を呼んで、男性の周りに座らせた。 「トム大丈夫?一体何があったの?」 アリスはトムに問いかけた。
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