旅立ち

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ダダダとフォルナード城の廊下に足音が響く。 バタンと大広間の扉を勢い良く開け伝令兵が入ってきた。 「大変です!救援のためフォッカス城に入城した国王はロックミラー軍に包囲され、補給も儘ならない状態です。このままでは陥落は時間の問題かと……」 伝令兵は血相を変え、呼吸も整わない様子で国王の窮状を訴えた。 大広間で会議をしていた大臣達は皆一様 に驚く。そんな中 「何?直ぐに国王の救援の軍を編成せよ!指揮は私がとる」 フォルナード王国No.2である大臣クロードは冷静に指示を出す。 指示を出し終えてからクロードはふと思い 「この事はくれぐれも姫の耳には入れないように、姫が聞いたら『助けに行く』と無謀な事を言い出しかねないからな」と伝令兵に念を押す。 「わかりました」伝令兵は頷いた。 その時ガタッと大広間の外の廊下から音がした。
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