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「敵が城下町に火を放ったり、建物を壊しやがった……
それに気付いた味方が、城から出てきて応戦したんだが……その少し後に、城から煙が上がった。
敵はまだ城の方へは行ってなかったはずなのに……
その煙を見た味方は混乱して、あっという間に敵にやられてしまった……」
男性は声を震わせ、力を振り絞るように答えてくれた。
「城は……お城はどうなったの?」
「城はたぶん陥落したと思う……」
男性はそう言い終わるとバタッと倒れて力尽きてしまった。
アリスはその男性に労りの念を抱きながら見つめていた。
それと同時に
陥落……
その言葉がアリスの心に重く響き渡っていた。
「話してくれてありがとう」
もう動かないであろう男性に感謝を伝えた。
今は、それくらいしか出来ないから。
そして、アリスは城の方へ一目散に走り始めた。
それを見ていた3人も、ただ事ではないと感じ、慌てて後を追った。
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