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アリスは考えながら走っていた。
敵が城の方へは行っていないのに、城から煙が上がった。
それって……それって……
状況を整理して考えると1つの予想がついた。
それって、味方に裏切り者が居たってこと?
味方に裏切り者が居たかもしれないということ、城が陥落したかもしれないということ、父は無事なのかということ、などが次々と頭の中を駆け巡る。
そういう色々な事を考えつつ、道端に転がっている瓦礫や木材の破片を飛び越え、城下町を走り抜けた。
気付けばアリスの瞳は潤み、涙がこぼれ落ちていた。
こぼれた涙が宙を舞い、それを陽の光が煌めかせる。
その煌めきは線のように繋がり悲しみの道をつくった。
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