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アリスは城へと繋がる登り坂を全速力で駆け上がっている。
道の両側に生え揃う立派な木々もアリスの目には入って来ない。
ただ城を目指して脇目も振らず走っていた。
城門の前に到着したアリス達。
城の惨状を目の当たりにして4人は固まってしまった。
城壁のところどころは黒く変色し、大きな穴や崩れて亀裂が入っている部分がある。
そこから真っ黒い煙がモクモクと上がり続けていて、焦げ臭いにおいが辺りに充満している。
それらが火災の規模の大きさを物語っていた。
城の現状を見て、アリスの心は不安に押し潰されそうになっていた。
だが
とにかく中に入って、状況を確認しないと……
そう思いながら気を強く持って足を踏み出し、開け放たれたままになっている鉄製の城門をくぐり城内に入った。
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