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見てはいけないものを見た気がして俺は思わず見なかったふりをして通り過ぎようとした。 「謙太くん」 不意に愛衣先生に名前を呼ばれて俺はびくっとした。 「愛衣先生、酒井先生と知り合いだったの?」 男は意外そうに言う。 男は大学生の頃からずっとアルバイトで、そのまま就職せずにうちの塾でバイトし続けている先輩講師だった。
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