4/8
前へ
/551ページ
次へ
名前は確か熊井。事務のおばさんが確か熊井先生が大嫌いでよくこぼしていたから俺もあまり会ったことがないけれど覚えている。ていうかそうじゃなくても覚えずにはいられなかったかもしれない。体はものすごく太っているのに鼻だけ洗濯ばさみでとめたかのように細い。特徴的な顔だ。生徒はあの鼻は整形だと噂していた。整形よりもダイエットがまずは必要だと俺は思う。 「謙太くん遅いよ。しかも何一人で帰ろうとしてるの?」 俺と目があった途端愛衣先生がなじってきて思わず反射的に謝る。 「ごめん」 熊井先生はネチネチとした視線を俺に投げ掛けた。 「愛衣先生なんでこんなやつと知り合いなの」 熊井先生はガムをかんでいるような話し方で俺をバカにした。
/551ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1326人が本棚に入れています
本棚に追加