始まりはシャイニングウィザードから!

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「い、いや…そんなことはないと思うぞ」 とまぁ、素直に出頭したら完全に変態さんになってしまうので、どうにかして誤魔化す方向に持っていく。 「いくら男の人は狼さんだからって、出会い頭でって…。とんだ変態さんだね、君は」 花崎木葉という子は恥ずかしそうに頬を染めながら自分の体を抱く。 平気でそういう仕草をするけど大丈夫なのかな。 木の上から落ちたりしないよね? とか考えていると… 「うわぁっ」 バランスを崩して後ろにひっくり返った。 もちろん、落ちないように足で木の枝を捕まえていたのだが、ぶら下がる形になり、スカートが大変なことに。 「み、見たらダメだよ!? 見たらダメだよ!?」 んなこと言われても無理ですわ。もう少し前に見ちゃったもん。 「わ、悪い!」 とは言わず、紳士な俺は背中を向けて極力見ないようにした。 しばらくすると、すとんっと軽い音がしたので再び向き直る。 「……………見た?」 「見てないよ」 「……」 嘘ですすいません。 見ました。バッチリ見ました。 「……見たんだね。じゃぁ───」 「へ…………?」 俺がすっとんきょうな声を出した瞬間、彼女の姿が消えた。 と思ったらこめかみに衝撃が…っ! あまりの衝撃に意識が飛び、視界が真っ暗になる。 シャイニングウィザードっぽいものを食らったらしい。 出会い頭でシャイニングウィザードもどうかと思うよ。 そんなことを消えていく意識の中で思っていた。 結局目が覚めたときには、俺は保健室にいた。
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