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と、俺一人が今さら反対したところでこの決定が覆ることはないので、そのまま花崎木葉が教壇に立つ。
「さてさてー、私は花崎木葉! 好きなものはビーフシチュー、嫌いなものはオバケかな! ただのクラスメートには興味が無いんでよろしくっ!」
バシッと黒板を叩いて花崎木葉は身を乗り出す。
っというかオバケ…苦手なんだな。今度脅かしてやろう。
「っというわけで、残った委員会を決めちゃうよっ! まずは────」
そこからは完全に花崎木葉の独壇場だった。
何があったのかと言えば、すごかったとしか言えない。
ただ言えるのは、昨日今日あったばかりの奴らが一瞬にしてまとまるとは何事だ。
そしてなぜ、花崎木葉は男子のツボも女子のツボもわかっているのだろうか。
「────先生ー! 決まりましたぁー」
花崎木葉が教壇に立ってわずか28分。
なんと全ての委員会が決定した。
そのあまりの早さに先生も驚いているように、目を丸くする。
「思ったより時間、かかりませんでしたね…。それじゃぁ次はクラスの委員会をまとめるクラス委員長を決めましょう。大事な役割ですので他人に押し付けるのはダメですよ~」
先生はそう言って再び放棄する態勢に…………って大事な役割って言うならあなたがちゃんとクラスをまとめるべきではないんですか!?
しかし、これも俺一人が言ったところでどうにもなるわけではないので、俺は黙っておくことにした。
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