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ともあれ、このクラスのメンバーの社交性やらなんやらはまだ未知数な訳で、クラス委員長とやらはなかなか決まらなかった。
一応立候補制にしているのだが、やはり遠慮と言うものが出て手も挙がらない。
ただ、俺はこの仕事に向いてると思う人物に心当たりがあった。
「花崎木葉。お前ならできるんじゃないか?」
俺は教壇で困った顔の彼女にそう言った。
昨日今日会った奴だが、何となくこいつに向いてる気がした。
実際、さっきは見事にこのクラスをまとめていたしな。
そう言う思いも含めて言った俺の言葉に便乗するように、賛成の声が上がる。
「い、いいの? 私なんかで……」
「今さらなに言ってんだよ。みんながこう言ってんだ。お前がやりたいならやればいいし、やりたくなけりゃやらなくていい。あとはお前の意思だろ」
正直クサイ台詞だと思ったが、それよりも素直にそう思っていたから恥ずかしくはなかった。
「その台詞、自分で言ってて恥ずかしくない?」
………すいません嘘です。めっちゃ恥ずかしいっす…!
「…………でもまぁ、みんなの期待には答えないといけないよね。じゃぁ私がこのクラスの委員長とやらをやっちゃおうかな!」
そう言った時の彼女の笑顔は、太陽に照らされているように眩しくて、俺はしばらくその笑顔に見とれていたのだった。
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