始まりはシャイニングウィザードから!

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『いいぞいいぞーっ!!』 『よっ! クラスのまとめ役!』 『今日からお前の名前は委員長だぁぁあ!!』 花崎木葉が委員長の任を引き受けると、クラスから叱咤激励の言葉が飛び交った。 それはもう他のクラスから『なんだなんだ!?』と様子を見に来られるくらい大袈裟に盛り上がる。 だが少し盛り上がり過ぎな気がするぞ。 「いやー、どうもどうもー! よろしくーっ、よろしくーっ!」 花崎木葉改め委員長は、その叱咤激励に手を振り返しながら答えた。 凄まじい支持だな。 やはりこれは彼女が出すオーラ的なものが惹き付けるのかもしれない。 もしくは彼女がそう言う人間なのか。 どちらにせよ俺は少しだけ羨ましかった。 「ようし! 私が委員長になったからには自由に行くよーっ!!」 『うっしゃぁぁぁぁあああああっ!!』 ……………やっぱり盛り上がり過ぎだろ。 そのあとは、すぐにチャイムが鳴り、授業が終わった。 HRもすぐに終わり、放課後。 グラウンドには早速部活動の勧誘と仮入部で一年生が青春の波に乗ろうとしていた。 「おーい幸人ー」 何を思うでもなくボーッと外を眺めていると、瀬山が近づいてきた。 「入りたい部活でも見つかったか?」 「いや、まだだ」 「だったら帰ろうぜ? 正直勧誘に巻き込まれると面倒だ」 瀬山そう言って渋い顔をする。 気持ち悪かった。 俺は二つ返事で返しながら、鞄を持って立ち上がった。
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